カルトナージュにハマった姉

借りていた本を返しに姉の部屋に行ったら、テーブルいっぱいにものを広げて、何か作業をしている。
テーブルには、粘着面のないマスキングテープのようなものや、切手を貼るときに使うスポンジ、へら、金属製の定規など、見慣れないものがたくさん並んでいた。
何をしているのかと聞くと、カルトナージュを作っているという。
カルトナージュとはボール紙に厚みのある紙を貼った化粧箱のことだ。
なんでも、海外発祥の工芸品だとかで教則本もたくさん出ている人気のクラフトらしい。
私は知らなかったが。本も見せてもらった。

作れるのはフタのついた四角い箱だけかと思っていたら、意外にいろいろな種類があり関心した。
まるで本のように見える箱や、宝箱タイプの箱、オルゴールタイプの箱、筒状になったものもある。
箱をマスターしたら、次はもっと複雑なものを作れるようになるらしい。
たとえば引き出しの付いたカラトリーボックスや、ドーナツをテイクアウトする箱に似た形のソーイングボックスとか。
見ただけではどうやって開けるのかわからない複雑な形の小物入れもあった。
市販のノートやアルバムをリメイクして、表紙を付けることもできる。

意外と実用的なものが作れるようだ。
本を読んで、個人的に気に入ったのはフタがクリアになった眼鏡ケース。
本で紹介されている紙の柄が気に入ったので同じのを作ってとお願いしたら、ムリ!と一刀両断された。
欲しかったら自分で作るしかないのかもしれない。

興味が出てきたので自分でもネットで調べてみたら、初心者用のキットが販売されていた。
姉が作っているところを見た後で私も始めるのは、姉のマネをするようであまりいい気分ではない。
それに、必要な道具を買いそろえるのも面倒だ。
飽きっぽい姉のことだ。
いくつか作品を作ったら別のものに気持ちが逸れるだろうから、そのとき道具類を借りて作ってみてもいいかもしれない。
それまで、カルトナージュはお預けにしておこうと思う。

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